妖怪どくんごに会うとウットリする。

劇団どくんごに触れた、芝居の批評とかじゃまったくないです。
と言うか、内容とかあまり書かない方が良いと思い、なるべく
ストーリー的なモノや仕掛けなどには、あえてあまり触れていません。

雰囲気の説明だけで押し切ります!

この移動式テント小屋芝居集団「劇団どくんご」は今北海道を回っておりまして
青森には8月11日に、もう一度だけ黒石に来ます。

その後はいつ来るのかまだわからないので(1年後?2年後?4年後?)
是非是非、興味を持たれた方は、遊びにいらして下さい。

黒石のお山のおもしぇー学校旧大川原小学校跡地にて、開催されます。
チケット欲しい方は私にメッセージか、
携帯メイルtakaya.19990818@i.softbank.jpにご連絡下さい。

「妖怪どくんごに出会うとウットリする」

ある日突然何もない平原に、組上がる極彩色の小さなサーカステント小屋。


内部からの光源が、何色もの布や葦簀に暖かな光を差し出し
いつもとは違うであろう、私の夜の始まりを告白しているような気になった。

劇団どくんご旅公演。ただちに犬青森合浦公演。

合浦公演駐車場から、ただっ広い更地を歩き
街灯の光が木々の陰影を幻灯しかたどり、その木漏れ日の間間から
見え隠れする、異質な新しい解釈の妖怪のような劇団どくんごのテント。

それだけで、何かもう私の気分は犯されてしまって、
どこか遠い情景の、後ろめたい心地よさが背中を何度も触った。

カミさんと子供とでひな壇客席に座り、役者達の準備している演出?が見え、
アクセサリー売りや、お客さんらの期待感の様な呟きがざわめくなか、それは静かに始まった。

幼児期の悪夢を追体験するような美しい世界。
犯人はお前だ!の流れが幾度も繰り返される。
犯人は誰でも良いのだ。そのストーリー自体は
あくまでも放出するための触媒だ。
何を。真実を。

途中子供がおしっこに行きたがって一端抜けた。

帰ってくるときに、お客さんの全ての表情が見えた。
(ステージ後方が吹き抜けで、テントから出て振り返ると見える)
暗闇にぽつりと灯る光は、お客の表情を照らしていて
淫靡な風合いを勝手に感じ取った私は美意識を濡らした。

舞台上で、過剰に行われる言葉と肉体と仕掛けとの
継ぎ目のない(芝居だから当たり前かな)感情ライオットの世界観が
それこそまさに、どくんごの世界を立ち上がらせていて
観客はその場の情景に大きなイエスを返答したい思いに溢れて
良い緊張感が場にあった。

なぜこんなにも愛おしく艶めかしい極上のデリヘル嬢を
愛せるかシミュレーションする様な幸福感を覚えるのだろうと思いを巡らせる。
それはもしかしたら、
どくんごは私達鬱屈した暗い精神の種明かしをする
表現者達だからなのでは無いかと妄想した。

あのテントは現実と真実とを繋ぐ空間で
その空間は何年かに一度、私達の土地に現れる。
どくんごは、お客に「さあ、ここが歪んでいる世界です。こちら側へ是非おいでなさい」と
言う事が許されている、時空の狂言回しなのだ。

彼らの汗は、私達の返り血で
世界は彼らが存在しなければ成り立たない契約を
神さまと結んでいるのだ。

異質な存在だ。現実世界の系列には無いのだ。妖怪だ。

妖怪どくんごの能力は、
何年かに一度突然更地に現れ、この世とあの世を繋げる世界を作り出し
人々の精神に、心地よい恐怖を植え付ける能力なのだ。


僕たちは常に中途半端でクソ虫だ。
結局は答えなんて知っている。
それでも生きていくんだって事だけだ。

むくわれない日々?上等!
粉砕して死ねばいい。
それでも明日君と過ごす美しい世界を求める。

ただちに犬だ。




家に帰ってから、空腹であまり集中して観ていないなと思っていた
子供達が、犯人はお前だ!ごっこをし、バナナを食べる二番目の娘は
フードを被ってみせる。折り紙の音の鳴るアレを早速作り試す。
私はしっかりトラウマになったかと思いニヤつく。

いつか彼女たちが、大人になってどこかの町で例えば鬱屈として通勤している時に蘇る。

妖怪どくんごが、通勤コースの更地に突然立ち上がり、彼女らがそれと出会ったときに
あの日のトラウマが蘇るだろう。

私達はあの場所を知っているという事実の
どこか後ろめたい喜びが、彼女たちの背骨を触るだろう。

青森公演ではお客さんあまり集められなくて(私が)
タカマツで騒ぐだけ騒いだくせにと思われていないかと
非常に申し訳無い思いをしたので、黒石何とかお客さん
呼べたらと思います。ので
是非、これを呼んでいる皆様、足をお運びになってくださって頂けたら
嬉しいです。

音楽のライブ見に来る人達はもしかしたら芝居に興味あまり無いのかも
知れないので、どくんごさんに嫌がられるかも知れないけれど
お客さん集めたいので、あえてタカマツとか楽しんで頂ける人達に説明すると
メチャクチャ完成度の高い、音楽の変わりに役者の演技を主軸としたタカヤマツリ(とか北枕)です!

最後畏れ多いな。
でも雰囲気としてそんなんが好きな感じなら、絶対後悔しないです!

つまんなかったら俺サラ金から金借りて返すから、是非見に来て下さい!